漆原啓子さん、リサイタル
久しぶりに、室内楽で、かつ漆原さん、向山さんです。そういえば、最近JTホー
ル行っていないんです。
公式サイトはここ
http://www.yamaha.co.jp/yamahaginza/hall/eventdetail_4518.html
チャイコフスキー/ピアノ三重奏曲 イ短調「偉大なる芸術家の思い出に」Op.50
この曲はファンが多いことでしょう。そして
良い演奏に出会ったときに、感動が大きいものです。
ブラームス/ピアノ四重奏曲 第1番ト長調OP.25
先日、都響でブラームスの交響曲を聞いたばかりで、今度は、初演が確か
クララシューマンも入っていた、四重奏です。この曲は
崩れると、とてつもなく、まとまりがなくなる危険がある曲です。実際過去に
そういう演奏に遭遇したもので。。。汗
感想としては、以下の通りです。
チャイコフスキーとブラームスの曲順が変更になったと、聞いたとき
ブラームスの完成度がとても高いと思ったのですが
まさにそのとおり、とても満足のいく演奏でした。
とにかく、チャイコフスキーの名曲を先にやるということは
ピアノ4重奏の出来に自信がないと出来ないと思うのです。
たとえば帰路、チャイコフスキーの音楽の余韻にひたって帰るということを考え
れば当然でしょう。
しかし、ブラームスの第二にも、興奮という余韻がありました。
私個人的には、ブラームスの音楽の演奏を聞いていたほうが
頭がクリアになってくる気がしました。
反対にチャイコフスキーの音楽は、もしかして「バレエ」に合うのではないか、
と思うほどです。振り付けが頭に浮かびましたから。
チェロは母なる大地の音、バイオリンは空気の中、その空気が流れる、ないし
立ち上る様子、
ピアノは、地上のさまざまな風景の心象を表しているかのような印象を受けまし
た。
これに対して
ブラームスはとにかく、音の波が繋がるし、音楽がちりばめられているという感
じでした。その音を追う快感たるや、すごく心地よいのです。この4人で演奏さ
れた昨夜のコンサートはCDにでもして聞いていただきたいようなものでした。
本当に、アンサンブルのある、音の集中と拡散でした。
とくに第4楽章、普通期待しますよね。
その期待は良い方向で裏切られる。というよりも期待を上回る整った演奏でした。
4人の全ての方が、音を合わせるということを念頭においているということ、さ
らに
お互いの音を重ねるということを意識した、熟練の技といった「匠」の演奏と呼
んでも良い、興奮の四重奏であり、第4楽章でした。
アンコールの、ブラームスのピアノ四重奏第3の第三楽章というのもにくい。
また冒頭
やはり震災への被災されたかたがたのために、「G線上のアリア」と、そのあと
黙祷が入りました。また、演奏者の方々が、直接、「義援金」を集めておりまし
た。